ここまで高級アパートを紹介してきましたが、今度
はホテルを紹介します。ホテルと言ってもただのホテ
ルではありません。強烈なホテルです。
ダコタハウスから西に移動してゆくとブロードウェ
イと交差します。よく知られているブロードウェイは
マンハッタンのど真ん中で、ミュージカル劇場が沢山
ある通りだと思われがちですが、ロアーを除いて碁盤
目の道で作られたマンハッタンで唯一斜めに走ってい
る通りなのです。そのブロードウェイに面して建って
いるのがこのアンソニアホテル(1904)です。ルネサン
スリバイバル様式のこのホテル。見る者を圧倒する迫
力があります。
建物の巨大さを見せないように、壁面を大きく窪ま
せて分割している。ただそれによって複雑さが増して
いるのも確かです。ここでもやはり古典的な、基壇・
中層・トップ（クラウン）という三層構造が取られて
いる。全体的には柔らかいデザインなのだが、そのデ
ザインのパワーと大きさで迫力のあるものになってし
まっている。この辺りの建物とは一線を隔した景観で
す。
とにかく饒舌です。ゴテゴテした建物が嫌いな人は
気分が悪くなっちゃうほど装飾華美です。色使いこそ
は派手ではありませんが、これでもかと言うくらいの
デコレーションですね。僕も見ながら笑わずにはおれ
なかったです。近くによる事さえも拒絶されそうな雰
囲気を持っています。フランス好きの人には最高の建
物だと思います。
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