2006/12/03  「一万人の第九」特別編
            24th
         サントリー
        一万人の
         第九

         主催:毎日放送
       協賛:サントリー株式会社




2006年12月3日(日)

 今年は、前日のリハーサルから天気は良く、当日の朝窓か
ら見る空は気持ちの良いほどの青空が広がっていました。
何となくウキウキしながら会場へ向い、今年は妻とホール前
で記念撮影をしました。こんな事は初めてです。



<お知らせ>
この日の様子は12月23日(祝)の14:00〜14:54 に大阪毎日
放送(MBS)をキー局として、東京放送(TBS)、北海道放送
(HBC)、中部日本放送(CBC)、RKB毎日放送(RKB)、5局
ネットで放送されます。
番組は優香さんが第九についてあらゆる角度から話します。
合唱の部分は後半の方で少しだけ流れると思います。

元ちとせさんの歌は必聴ですよ。



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 午前10時に最終の座席確定が始まりました。今年は同じク
ラスの人と3人で一緒に歌う事にしていたのです。丁度ブロッ
クの端にいたので3人一緒に動けるかどうか心配していまし
たが、ホントに運良く3つずれた為に3人一緒でした。
 前日のリハーサルでは、風邪をひいてしまい指導できなか
った僕たちの担当だった清原先生も、今日は何とか声が出る
ようになっていました。恒例になった「一万人の肩叩き」に
始まり、少し気になっていたところを歌って比較的簡単に終
了。予定より早めに切り上げて休憩に入りました。と、ここ
でアクシデントが発生。トイレに急ごうとする女性が足を滑
らせて階段から落ちちゃったみたいです。多少フライング気
味に動き出したから場内はまだ十分な明かりではなかったん
ですよ。せっかく今日まで練習してきて、こんな事で歌えな
くなったのではつまらないですよね。その後の休憩では、会
場側も早く明るくするようにしていました。僕はこの休憩で
少し早めの昼食を取って、歌う頃にはお腹がこなれる様に
しています。本番前の休憩ではゆっくりしたいしね。
 お客さんが入ってくると合唱の時にみんなで歌う為に佐渡
さんから有名な「M」のパートを歌う練習が有りますが、今
年は放送の時のナビゲーターを務める優香さんがここで登場
してきました。テレビで観る印象より「ちっちゃくて、細〜
い!」可愛いですわ。放送では、優香さんが第九を分かり易
く説明するという事になっています。これも楽しみ。

 定刻の15時丁度に本番スタート。今年は佐渡さんがオーデ
ィションで全国から集めたチビッコの演奏で始まりました。
チビッコと言ってもこのクラスになると上手です。将来の日
本のクラシック界を背負ってゆくのでしょうね。
 小倉さんが登場して今日の歌のゲストである元ちとせさん
の歌が始まります。「いつか風になる日」、「青のレクイエ
ム」、「語り継ぐこと」の3曲を熱唱。元さんの声は本当に胸
に迫ってくる物があり、自然と熱い物がこみ上げて来ます。
歌に対する真面目さ、真剣さも感じる。前日のリハーサルか
らずっと本番の衣装で臨んだゲストも僕には初めてでした。
どんな時にでも一生懸命に向って行く人なんでしょうね。
 いよいよ第九が始まりました。全部で四章あるので合唱の
始まる第四章までかなり時間があります。その間に寝ちゃう
人もいるんですよね。(笑)今年の佐渡さんはちょっと違っ
ていたような気がする。入りの所が例年と違っていた。
 演奏は進み第四楽章へ。少し緊張しながら立ち上がるタイ
ミングをじっと待つ。ティンパニーの合図でみんなが一斉に
立ち上がる。さあ、始まった。バリトンのソリストが歌いだ
す。素人の僕が言うのも失礼なのだが、今年のソリストたち
は素晴らしい。このソリストに負けないように歌わなければ
と思う。そして男声合唱の「フロイデ!」が始まるのだ。今日
の練習でも良い感じだったから自信を持って歌おう。これが
上手くいくとみんなが乗っていけるんだ。そう考えながら第
一声を出す。「フロイデ!」ピタッと決った。よし良いぞ!。
上手く行った。そう確信して合唱は始まった。
 会場と一緒になってテーマを歌い、いやがうえにも盛り上
がってくる。今年は男声合唱も良い。男声合唱から始まる
「ザ〜〜イト、ウムシュルンゲン」これも力強く決り(自画
自賛)少し静かなところに移って行く。煌く星空のイメージ
のところ。強くならないように気をつけながら、綺麗なコー
ラスにしようと歌う。その煌きを切り裂くかのように、鋭く
入ってくるアルト、そしてソプラノ。一番難しいが、ある意
味で一番楽しいドッペル・フーガ(二重フーガ)に突入しま
す。それぞれのパートが別々の歌詞で、別々のリズムで歌を
重ねてゆきます。一度外すと元に戻るのは大変です。でも、
慣れてくると結構他のパートも聞けたりするからそれが面白
いです。
 歌いきった瞬間に誰からとなく出る「ブラボー!」の叫び
声。今年は良かったんじゃないかな。佐渡さんの顔を見ても
嬉しそう。この佐渡さんの顔を見てきっと上手く行ったんだ
と感じました。エンディングの「蛍の光」を歌いながら満足
の行く合唱だったなと思いました。また来年の再会を約束し
ながら周りの人と握手して、今年の第九は終りました。
 興奮冷めやらぬうちに会場で普段着へと着替え、僕のクラ
スの打ち上げにいそいそと出かけて行きます。本番もさるこ
とながら、この打ち上げが楽しくてやっているようなもの。
今年は更に人数も増えて約260人だとか。クラスの半分以上が
参加していることになる。去年はビンゴで特等(1等ではない
らしい)を獲得しているので2連覇を目指していたが、今年は
ビンゴではなく「数字当てクイズ」だったので見事撃沈!
一つも商品が取れずに終ってしまった。来年リベンジするぞ
と心に誓ったのである。(笑)
 そうそう、担当の清原先生が開口一番言った言葉。
「今年は最高の出来だった。今まで24回やってきた中で一番
良かった。ここにいるみんなと握手したい気分です。」
この一言は本当に嬉しかった。今まで頑張ってきた努力が報
われたって感じでした。
 ピアノの先生も来てくれて伴奏をしてくれます。恒例の月
毎の誕生日会も終わり、待っていました第九合唱タイムの始
まりです。今年もバリトンのソロからスタート。歌いたい人
が勝手にソリストになって歌います。前に出て歌う人、その
場で大声を出して歌う人。アルコールも入っているのでみん
なセーブは出来ません(笑)後は声が枯れようが関係ないか
ら思い切り歌っています。本番よりも大きな声でしょうね。
本番の直後にやるからこれだけ盛り上がるんでしょう。僕も
最後には前の台に上がってそこにいた人とラインダンスでフ
ィナーレを迎えました。
 大騒ぎのまま打ち上げも終わり、また来年もこの打ち上げで
会いましょうと挨拶して会場を後にしました。顔見知りも
年々増えてきて、それも楽しみの一つですね。また来年も歌
うぞ〜〜〜!
 11時30分から、本番通りにするゲネプロが始まり、今年も
司会をしてくれる小倉智昭さんも登場して、いよいよだなと
言う感じがしてきます。オーケストラの練習もして、佐渡さ
んによる最後の合唱練習。今年の佐渡さんは早い!特に最後
の方のパートが早いです。それと「フォール・ゴット」は長
いと予告しておられたので、息継ぎ無しで歌えるかが心配で
したが、このリハーサルでは何とか一息でうたえたので安心
しました。合唱の練習が終るとゲストの元ちとせさんの音合
せがあり、また歌が聞けると喜んでいました。昨日でも上手
いと思ったが本番当日は更に声が出ており、これがプロなん
だと改めて思いました。全く別人ほど違いますね。
 全体的に出来が良いのか、このリハーサルも早めに終って
本番前の最後の休憩に入りました。14時45分に戻ってお客さ
んを待つ事になります。この休憩の時に会場をうろうろした
り、記念撮影をしたりしています。僕も本番前の会場の様子
をパチリ。そして、妻と一緒に歌う友達が探していたよう
でここでも入場を促す係りの人に頼んで記念撮影です。
 最初の合唱は気持ち良く歌い出せた。向かいのソプラノか
ら聞こえてくる音のズレは気にしないようにして、ただひた
すら佐渡さんの指揮に集中する。声の調子はまずまずかな?
すかさず「ヤー、ベル」のパートをこなして最初の見せ場と
なる「フォール・ゴット!」のある「キュッセ・・・」のパ
ートに入る。速いテンポに乗りながらいよいよ迫ってきた。
どれ位声が出るだろう?と思いながらも気持ちが良いので思
い切り大きな声を出す。「フォール、ゴ〜〜〜〜ット!」歌
いきれた。息継ぎしないで歌いきれた。今年の第九の最初の
ポイントを通過した気がした。でも、あと1秒でも長かったら
ダメだっただろうと思うほどギリギリだった。声もかすれず
に持ったよ。
 この後は楽しい男声合唱のマーチが待っている。実はこの
パートを一緒に歌いたい女性は沢山いる。第九の中で唯一
楽しく歌えるところだからだ。テノールのソリストの力強い
声に引っ張られて男性が続いて行く。「フロイディッヒ、フ
ロイディッヒ」練習では肩を組んで歌ったりするが、本番で
はこれは出来ないので膝でリズムを取ったりして歌いいまし
た。ここまで来るともう後は勢いに任せて歌って行くだけに
なってくる。オーケストラの繊細な演奏が続き一休みしてテ
ーマの「M」のパートに備えます。前半折り返して後半へと
一気に入って行くためです。
 そして怒涛のフィナーレとなる「ダイネ・ツァーベル」の
パートに入って行きます。この辺りから今年の佐渡さんの速
さが出てきます。必死に指揮について行きながら一言一言を
噛み締めながら歌いました。入るタイミングがいつも難しい
「アッレ・メンシェン」も不思議とスムーズに入れて気分が
良い。もうここまで来れば後は「野となれ山となれ」行くだ
け行くまでさ。毎年悔しい思いをする一番最後の「ゲ〜〜ッ
テル、フンケン!」裏声でなくて表の声で歌いたい。やって
みるか。何事もチャレンジしてみなけりゃ進まない。何とか
できたかどうかは微妙なところです。いえ、歌えていないと
いうのが正直なところです。また来年の課題となりました。
 ここでシークレットゲストがあるかなと思ったら、今年は
天満の天神さんに常設の寄席「天満天神繁昌亭」が出来た事
にあやかって笑福亭八方さんと桂ざこばさんでした。オーケ
ストラの出囃子に戸惑いながら客席の後から出てきたお二人
でした。佐渡さんも落語が好きなようです。二人にプレゼン
トとしてヨハン・シュトラウスの「ラデッキー行進曲」を会
場のみんなの手拍子も使っての演奏でした。佐渡さんの指揮
に合わせてみんなが手拍子を大きくしたり、小さくしたりし
て立派な楽器の一つとして使えるんですよね。この曲は、年
末のウィーンのニューイヤーコンサートで必ず最後に演奏さ
れる曲です。
 これで第一部が終わり、休憩を挟んでいよいよ一万人の第
九が始まります。トイレに行ったり、写真を撮ったりとみん
な慌しいです。(笑)