2005/12/04 「一万人の第九」特別編
23rd
サントリー
一万人の
第九
主催:毎日放送
協賛:サントリー株式会社
2005年12月4日(日)
今年こそは晴れるかと思った本番当日、小雨交じりのスタ
ートとなった。まあ、これもご愛嬌なのかも知れない。例年
ほど寒くないのがせめてもの救いだろう。天気のせいか僕が
少し遅めだたからなのか、会場へと続く階段は人影が少ない
ように思った。既に会場内は人で溢れ、係りの人は早く席に
着くようにと促している。
<お知らせ>
この日の様子は12月23日(祝)の14:00〜14:54 に大阪毎日
放送(MBS)をキー局として、東京放送(TBS)、北海道放送
(HBC)、中部日本放送(CBC)、RKB毎日放送(RKB)、5局
ネットで放送されます。
番組はsonaさんの再チャレンジ中心にして、ドイツでの練習
風景や当日の合唱までを追ったものです。
また、森山良子さんの熱唱も見物です。
Back
午前10時、最終の座席確定の為に会場の扉が閉められ空席
を詰めて行く。いろいろな事情で当日欠席する人がいる。そ
こを埋めてゆくのです。約30分ほどで席が確定して、発声練
習が始まる。担当は今年も僕のクラスの清原先生だ。まずは
清原先生の名物肩叩き。一万人が一斉に隣の人の肩を叩く光
景は一種異様かもしれない(笑)
去年発覚したモニター画面のズレが分かっている為に今年
は初めからモニターを見ないで佐渡さんの指揮を見るように
と注意があった。悪夢にうなされた去年のリハーサルと違っ
て順調に終った今年のリハーサルで、本番の今日は少し余裕
があるのか逆に自身を持ちすぎないようにとアドバイス。
これはお客さんが入ってくる直前の会場の様子です。みん
な着替えも終って席は男性の黒と女性の白の服で埋め尽くさ
れている。
予定通りの15:00、ベルリオーズの「ラコッツィー行進曲」
でスタートした。新生のユースオーケストラの演奏が終わり
佐渡さんと小倉さんの会話。
去年は野村選手と野口選手、そして一昨年は阪神が優勝した
ので矢野選手と八木選手がシークレットゲストとして来てく
れました。今年も阪神が優勝したのですが今年は藤川選手と
赤星選手のコメントがVTRで流れるだけでした。でも「六甲お
ろし」は歌う事になったのですが、日本一を逃したのでオー
ケストラは無し。日本一になったときに取っておこうという
事になりました。代わりにこれまた珍しい佐渡さんの縦笛で
「六甲おろし」の演奏。会場のみんなも一緒に大合唱。用意
の良い人はハッピ着てるし〜〜(笑)ありゃ、その近くでは
外人さんがユニフォーム着てるよ。練習しなくても歌えちゃ
うのが関西人ですね。来年阪神が日本一になったら、選手全
員呼んでオーケストラで「六甲おろし」の大合唱しようと佐
渡さんの鼻息は荒かったです。しかし、この発言にはちょっ
と問題が。それは僕の予想としては、来年はサッカーのワー
ルドカップがあります。ですから来年のシークレットゲスト
は、ガンバ大阪の宮本選手と大黒選手だと思っているのです
よ。(笑)そこでもし阪神が日本一になったらどっちを呼ぶ
のか?両方と言うのは無理でしょう。これは来年の阪神か
ら目が離せませんね。^^;;;
今年の歌のゲストの森山良子さんが登場した。練習の時の
ラフな格好と違い本番はドレスだ。勿論メガネもなし。
1曲目は10数分にも及ぶ「さとうびき畑」
この曲は森山さんがもうずっと以前から歌っていたという事
はまったく知らなかった。スローなメロディーの中に隠され
た戦争の悲惨さを淡々と歌う。心の中を森山さんの声がスー
ッと流れていった。
2曲目は馴染みのある「涙そうそう」森山良子さんの作詞
この曲は亡くなったお兄さんの事を思って書いたものらしい
です。僕たちの合唱は2番のサビの部分から入ります。一昨
年の直太朗さんの時と違ってコーラスではなくてユニゾンで
歌います。これには正直なところちょっと欲求不満。でも後
から考えてみれば「フォークソングの女王」と呼ばれてい
た良子さんらしいのかも知れないなと妙に納得した。
3曲目はかつて佐渡さんも所属していたと言う京都少年合
唱団がバックコーラスをする「マザーアース」
これは息子の直太朗さんが曲を書いたものです。ここでビッ
クリ。なんと会場の一番前にその直太朗さんが座っていた。
ここでも今回のテーマである「家族」の対面でした。名古屋
万博のテーマソングでもあったこの歌。実は僕はこれまでち
ゃんと聞いた事がなかった。リハーサルで初めて生で聴いた
時には思わずウルウルときてしまったほどだった。本番はそ
れ以上の声の伸びでさすがと唸ってしまう。会場のモニター
に流れる練習風景のスナップに今までの努力を重ねながら森
山さんの歌に聞き惚れていた。
第一部が無事に終了して30分間の休憩を挟んでいよいよ第
九の開始です。
ベートーベンの第九が始まりました。
まずはオーケストラの演奏。
さすがに本番となるとみんな緊張しています。さっきまで練
習の時には居眠りをしていた隣の人もしっかり起きて演奏を
聴いています。第一楽章から次第に進んで第三楽章。次はい
よいよ僕たちの合唱のある第四楽章へと進んできました。
演奏は進み合図のティンパニーが鳴る。全員が一斉にスッと
立ち上がる。バリトンのソロが始まり男声合唱の出るタイミ
ングを計ります。「フロイデ!」男声合唱の第一声。僕はここ
でみんなが力強く歌えるかで今日の出来が判ると思っていま
す。それは言いすぎかもしれませんが自分のげん担ぎのよう
なものです。後から他の人のブログを呼んでみると、事実女
性はこの声に力を貰って歌いだすと書いている人がいます。
佐渡さんも多分この第一声でなにか手ごたえのようなものを
掴んだのではないでしょうか。
演奏で戦う部分。この時ばかりは合唱を離れてオーケスト
ラの演奏に聞き入ってしまう。とてもスリリングで勇敢な演
奏です。このパートはとても好きなパートですね。この後に
静かに流れてくるテーマ。戦いに勝利し、みんなで慶びの歌
を歌う。それが皆さんが一番良く知っているテーマの部分な
んです。この時には佐渡さんは後ろを向いてお客さんに対し
て指揮をするんです。会場全体で合唱します。
順調に曲が進んでゆくと一番難しいけどある意味で一番楽
しい二重フーガのパート。練習の時のように他のパートは殆
ど気になりません。ですからしっかり自分のパートが歌えま
す。フーガを楽しむ事さえ出来ます。掛け合いの面白さ、そ
れぞれの見せ場があり、合唱の醍醐味を感じます。
満足そうな佐渡さんの顔。去年は半分悔し涙を流したソナ
ちゃんの感動の涙。ソロボーカリストも嬉しそう。また来年
も宜しくね。
合唱の指導をしてくれた先生方も舞台に上がってきて嬉し
そうでした。一番心配していたでしょうね。
この後は例によってクラスの打ち上げに行きました。
今年の参加者は全部で230人。梅新のビアホールを貸しきっ
ての大パーティーです。去年にも増して担当だった清原先生
が早く到着。と言うより開始に間に合ってるしぃ〜〜^^
乾杯の後はビンゴ大会。なんと僕が一番初めにビンゴ〜!
一等ならぬ特等をゲット。こんなところで運を使うなよ。
歌を歌ってから、もうじき誕生日の清原先生の誕生日を祝っ
て後は恒例の各月の人の誕生日を祝いました。(要するに全
員です)
そして、お待ちかねの第九合唱。いつもの藤沢先生がピア
ノを弾いてくれて頭から。去年のようにフルコーラスとは行
かなかったけど、主だったところをもう一度歌えてみんなハ
ッピーでした。最後に「今日の日はさよなら」を歌って来年
の再会を祈って終りました。
本番が終わったと言う事もあって、もう後の事はどうでも
良いと思い切り声を張り上げたので、想像の通り喉はガラガ
ラになりました。(爆)
今年も良かったのでまた来年はそれ以上のものを期待して
しまうのは人間の欲望なのでしょうか。また、来年も頑張っ
て歌うぞと心に決めています。
今回は比較的簡単に終ったような気がする。でもまだ久し
ぶりの発声で、まだ十分に声が出ていない。昨日のリハーサ
ルでは明らかに声が出ていなかった。しかし、ここで無理に
出して喉を痛めてしまうと後で取り返しのつかない事になる
から慎重に少しずつ声を出して行く事にした。発声練習が終
る頃には、少しほぐれてきたような感じになってきた。あと
少しだ。スムーズに進んできた為に、やや早めに一回目の休
憩になった。ここでもう昼食を取る事にした。友達と一緒に
廊下のベンチに座って弁当を広げた。40分あった休憩もあっ
という間で、食べ終わると殆ど時間になっている。
11時半から本番さながらのリハーサル、業界ではゲネプロ
と呼ぶものが始まった。今年も司会を務める小倉智昭さんが
登場して来た。いよいよだなと感じる。前日に引続きゲスト
の森山良子さんの歌は素晴らしい声だった。そして、ついに
合唱の練習。これが僕たちにとって最後の声出しと言う事に
なるから全員必死だ。頭から時折佐渡さんが気になるところ
をチェックしながら一通り歌った。この時点で何とか声が出
始め今日は結構調子が良さそうな気がした。
よし今年は完全に歌いきってやるぞと決めた。と言うのも、
過去2年は歌うには全部歌いきったのだが、最後のフレーズ
の「ゲ〜ッテルフンケン」の時に高い声が出せずに裏声で歌
った事が悔しかったから、今年こそは心に決めていたのだ。
14:00に終って2回目の休憩。この休憩が終る頃には既にお客
さんが入場し始める。14:45には自分の席に戻り、いよいよ
15:00からコンサートが開始である。
続いてどうしてもみんなが、特にテノールが、走ってしま
うと言う最初の合唱パート。何とか上手く行ったかな?
そう、練習の時から感じていた向かいのソプラノの声のズ
レは今年はあまり気にならない。会場の大きさから言って声
が届くのが遅れるのは当たり前なんです。そのズレ加減が去
年よりも気にならないと言う事は、それほど今年は合ってい
と言うことです。
今年の目標だった、去年よりも良いものをと思っていた
事が実現しそうだ。こうなりゃ行けるだけ行ってやろう。
「ヤーベル」を歌い今度は「キュッセ」
ここは最初の聞かせどころであり、歌っている方も一番気持
ちが良い所。ちょっとスローになって堂々と歌う「フォール
ゴット」佐渡さんの気分で伸ばす長さの変わるところです。
佐渡さんは途中で息継ぎをしないと信者いますよと冗談を言
う位ですが、何とか一息で歌いきりたいところでもあります
本番は練習の時よりもちょっと長く感じた。どうしよう。
息継ぎするか。でも最悪なのは、息継ぎした瞬間に終る事。
行けるかなと思ったところで終ってホッと一息。
次は男声合唱だけのマーチの部分。ここは楽しく歌おう。
肩を揺するようにして(実際にはできないが)歌った。
更に進んで「ダイネ ツァーベル」です。もうここまで来
れば怒涛のように行くしかないです。テンポが速くなり、佐
渡さんも指揮と言うよりタクトを振り回しているような感じ
です。前日の悪夢から一転して良かった去年とは違い、今年
はどことなくゆとりがあるような気がします。みんなも必死
で佐渡さんについて行きます。僕も3年目にして初めてうっ
すらと汗ばんできました。本番前に気持ち強くなった冷房も
みんなの熱気で効かなくなったようです。この頃はもうまさ
に大阪城ホールが一つになったようでした。一万人が一体と
なって一つの歌を歌っている。歓喜の叫びです。
うん、今年はいけそうだ。このまま歌いきっちゃえ。たと
え声が裏返ろうがやってみて後悔はしない。そう決めました。
そして最後のパート「ザイトゥムシュルンゲン」
アクセルは全開です。リズムに乗って歌いきる。これまでの
悔しい思いを吹き飛ばすかのように全身で歌い上げました。
一番最後の「ゲーッテルフンケン」を歌い終えた後は、この3
年間の中でもっとも充実して、満足できるものでした。
後奏が終った瞬間「ブラボー!」の声。鳴り響く拍手。
今年も無事に終了しました。何回かのカーテンコールの後、
会場全員で「蛍の光」を合唱して名残を惜しみながら幕を閉
じました。
終ったあとでインタビューを
受けるソナちゃん。
僕の前の方だったのに頭が
廻っていなくて、ちゃんと撮
れませんでした(笑)
ピンボケなので小さめに・・